昨年は中止になった
コルドバの秋のお花のフェスティバル『FLORA』が今年は10月11日から21日まで行われました。
今まではこのFLORAを「秋のパティオ祭り」とも呼んでいたのですが
今年は同じ時期に、本家のパティオ祭りの秋のバージョン「秋のパティオ祭り」も開催されました。(こちらはまた別の機会に紹介しますね!)
5月と並んで気候も良く、観光におすすめなコルドバの10月。
二つのお祭りのおかげで今年は、今まで以上にお花が溢れ、華やかな10月になりました。
秋のお花のフェスティバル『 Festival FLORA 』とは
5月に開催される、世界無形文化遺産にも登録されている「パティオ祭り」は、コルドバの生活に古くから根付く、一般家庭の伝統的な中庭を公開し、美しさを競うお祭りです。
そして、この「FLORA」は、コルドバの有名建物の中庭を世界から選ばれた有名フラワーアーティストたちが、モダンフラワーアートの世界へ導き、美しさを競います。
この二つは、コンセプトが全く異なりますが、お花が主役であるお祭りというのは共通しています。
フラワーアートの美しさを競うコンクール
コンテストは3名のフラワーアーティスト・評論家の審査員によって優勝・準優勝が決められ、優勝者には25000ユーロ、準優勝者には10000ユーロが贈られます。(*今年の場合)
また一般の訪問客がFacebook ページを通じて投票して決める、パブリック賞も設けられています。
市民・観光客も参加できるアクティビティも
期間中、無料でそれぞれのパティオでアートを見学できるほか、
お花に関するワークショップもあり、一般の人たちもお花について学んだり触れたりすることができます。
秋のお花のフェスティバル2021 ・5つのパティオ&アーティスト
今年は5人(5組)
スペインから2組、デンマーク、ベルギー、アイルランドのフラワーアーティストが参加。
ちなみに2018年には日本人アーティストHideyuki Niwa 氏も参加され、準優勝に選ばれています。
そして5つの会場も、今年初めて選ばれた世界遺産のメスキータをはじめ、見学できるだけでも価値がある建物の中庭です。
優勝:TABLEAU 氏(デンマーク)/ Diputación de Córdoba
見事、優勝に選ばれたのは、デンマークのTABLEAU。
会場は、Diputación de Córdoba。
17世紀後半に建てられた修道院、その後宮殿に、現在は市の建物として使用されています。
デンマークのTABLEAUは、約3年前にJulius Værnes Iverse氏によって設立され、
その後、建築家でありグラフィックデザイナーのKatrine Morel氏が加わりました。
今年のFLORAで最も現代的なフラワーアーティストです。
TABLEAUはラテン語で「ステージ」「小さなシーン」という意味。
ミニマリズム、すっきりとしたライン、コントラスト、モノクロームが、彼らの作品の特徴になっています。
準優勝:Tom de Houwer(ベルギー)/ Palacio de Viana
そして、準優勝はベルギー出身のTom de Houwer氏。
会場はPalacio de Viana(ビアナ宮殿)。
15~19世紀まで貴族の館だった、当時のコルドバの邸宅を象徴する建物で、コルドバで一番美しいパティオを持つと言われています。
敷地内にある12の庭園の中から、今年はPatio de las Columnas に作品がつくられました。
ベルギー生まれのTom de Houwer 氏は、メキシコ、オランダ、フランス、イタリア、イギリスなど世界各国で活躍。
現在最も才能あるフラワーアーティストのひとりだと言われています。
Shane Connolly(イギリス)/ Mezquita-Catedral de Córdoba
今年のFLORAの大きな見どころは、Mezquita-Catedral de Córdoba(メスキータ)が会場になっていること。
発表されたときも話題になりました。
そして、世界遺産の「オレンジの中庭」の一角につくられたアートの世界を、一目見ようと多くの人が集まりました。
そのメスキータにつくられたアートは、英国王室のフラワーアーティストもつとめた、北アイルランド出身のShane Connolly 氏の作品。
メスキータの「オレンジの中庭」のものと同じ形の水路がつくられ、水には無数のカーネーションの花が浮かべられました。
パンデミックで命を落とした人たちに捧げられたもので、お花ひとつひとつに命を落とされた人びとへの思いがこもっています。
そして、一般の訪問客、お亡くなりになった家族がいる方もカーネーションをお供えできるようになっていました。
Terabitia(スペイン)/ Posada del Potro
2018年には、日本人アーティストのHideyuki Niwa 氏が作品をつくった、Posada del Potro(Centro Flamenco Fosforito)も、今年の会場に選ばれました。
ポトロ広場にある「ドン・キホーテ」にも登場する旅籠だったところで、作者ミゲル・デ・セルバンテスも泊まったことがあると言われています。
1972年まで宿として使用されていましたが、現在は フォスフォリート・フラメンコセンターという、フラメンコ・ミュージアムとして見学も可能。
ときどきフラメンコのイベントも開催されています。
作品のアーティストは
マドリード出身の Carolina Estévez氏によって設立されたTerabitiaArte Floral。
映画やTV、Amazon Prime Video, Netflix、数々のイベントでフラワーアーティストとして活躍しています。
個人的には、こちらの作品が一番好きでした♡
Inés Urquijo + Nuria Mora (スペイン)/ Museo Arqueológico
そして最後は、Museo Arqueológico(考古学博物館)。
かつては宮殿だった建物で、ここで発見された古代ローマ時代の劇場遺跡も保存され、スペインで最も重要な博物館のひとつと言われています。
作品は、マドリード生まれのINÉS URQUIJO氏とNURIA MORA氏のコラボ。
INÉS URQUIJO氏は、
プラド美術館やマドリード王立劇場、シャネルやフェラガモなどの有名ブランドとも仕事をしているフラワーアーティスト。
一方、NURIA MORA氏の作品は、
テート・ブリテン (ロンドン)やミロ美術館(バルセロナ)など数々の有名美術館にも展示されています。
コルドバ 秋のお花のフェスティバル2021 -Festival FLORA 2021-動画
アーティストと会場を紹介しましたが、写真ではなかなかイメージがわかないかと思います。
イベントの模様を動画にしましたので、時間がある方は是非ご覧くださいね♪
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本でもFLORAやパティオ祭りについても紹介しています♪
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