警戒事態宣言の15日間延長が、
25日に承認されることになるスペイン。
本日(22日)、サンチェス首相は記者会見を行い、3月14日に宣言した「警戒事態」を当初の予定(15日間)より更に15日間延長し、4月11日まで継続する意思を発表いたしました。基本的には移動制限等現在の措置が継続される見込みです。
同「警戒事態」の延長は、スペイン憲法に従い、閣議決定後、下院議会の承認が必要であり、週明け3月25日(水)に同議会で承認されることが見込まれます。
日本とスペインは、全く異なる対策を取っていますが、
今置かれている状況の中、一人一人が責任を持って行動するしかないですね。
とはいえ、昨日のK1のことなどを聞いていると、
仮に日本がスペインのように、2週間外出禁止にしたら、かなり感染リスクが減るのでは?と思ってしまいます。
経済の話は別として、
この外出禁止などスペインが取っている対策は、確かに国民に負担を掛けますが、
文化や習慣の違いから、スペイン人と比べると、苦痛に感じる日本人は少ないと思います。
逆にスペイン人のストレスが心配。
長引くことによって、精神的に爆発してしまう人が多いのではと、
身近な人々の状況を聞いて心配になります。
スペイン人の距離の取り方
スペイン人のスキンシップ、人と人との距離の取り方の違いは、
日本人のそれとは比べ物になりません。
知り合いのスペイン人が日本に旅行した時、エスカレーターで(彼にとって)普通に後ろに立ったら、前の人が振り向き、すごく睨まれたと不思議そうに言っていました。
彼は本気で「なぜ?」と思っていたみたいですが、私は「そりゃ、そうだわ」と納得。
スペイン人とは、とにかく距離に対する感覚が全然違う。
レストランやバルに行っても、日本人なら空席があると、間隔をあけて座っていくのが普通。
離れていても、目が合わないようにこっちに座ろう、とか。
でも、スペインでは「こんなに空いているのに、何故わざわざ横のテーブルに座るの?」という所に座ってきます。
もちろん、目が合うとか合わないとか、話が聞こえるとか聞こえないとかも、気にしません。
逆に、広いスペースに離れて座っていると寂しく感じる人も多いと思います。
スペイン人にとってのハグ
普通の挨拶が左右の頬にキスだから、そこで既に日本とは全然違いますが、
友だちや知り合いが悲しんでいるときや落ち込んでいるときには、強く抱きしめることも普通。
逆に、そんな状況で強いハグがなければ、冷たく感じます。
そして、それがベースとなっているので、日常生活のところどころに軽いスキンシップがあります。
日本でハグというと、恋人同士とか夫婦間でというイメージがあるかもしれませんが、
それだけではありません。
子どもに対して、家族間で、友達と…などいろいろ。
ハグをすることによって、協調性と落ち着きを増し、不安、ストレスを軽減する、という研究結果も出ていますよね。
人からもらう、心と身体の温もり以外にも、
ちょっと違うかもしれませんが、日本人が、例えばお風呂に入れなかったらという状況を想像してみると…。
スペインの人たちからするとお風呂に入らない(湯舟に浸からない)のが普通。
でも、私たちにとっては、精神的にも肉体的にもお風呂に救われることが大きいです。
私たちはハグが無くても生きていけますが、
彼らにとっては、あって当然のもの。それが気軽にできない。
これは、かなりストレスになっているようです。
マスク姿に免疫がないスペイン人
そして、マスク。
今までに、スペインでマスクをしている人をアジア人旅行者以外、見かけたことがありません。
多くの他の外国と同じように、
スペインでも「マスクは重症の病人か医療従事者がするもの」。
だから、世界のどこよりも普通にマスクしている人が大勢いる日本とは、
感覚が全く違います。
今の状況は別ですが、こうなる前は、
道でマスクをするなんて考えられないことでした。
日本では「人に見られたくないから」「お化粧してないから」マスクで隠す、とかってこともあるぐらい普通のこと。
空港や飛行機の中でも、あらゆることの予防のためにマスクをしているひとが多い。
その反対に、スペインではこんなに深刻な状況になっていても、
マスクを持っていない人たちも大勢います。
マスクは病気にかかっている人がするものだから、感染していない人はする必要がないと、
日本の偉い先生でも言われている方がいるみたいですが、
誰が感染しているかわからない病気なので、みんなかかっていることを前提として、
マスクをした方がいいのでは?と思うのですが、違うのかな?
そんなマスクに慣れていないスペインでは、
スーパーに行って、レジ係の人がマスク・手袋をしている姿を見るだけで、
恐怖感を覚え、軽いパニックになる人がいるようです。
私たちが、外国の銀行のドアの前で銃を持って警備員が立っているのを始めてみた時のショック、
みたいな感じでしょうか。(ちなみにスペインでは銃を持った人は立っていません)
グループで外出、太陽が大好きなスペイン人
そしてスペインの人たちは、
外出するのが大好き。それもグループで。
レストランやバル、カフェに一人で来ている地元人をほぼ見かけません。
週末、金曜日、土曜日の夜は出かけるのが当たり前で、
必ず「えっ、出かけないの?どうして?」と不思議がられます。
そして、マラガのような小さな街では、行く場所やルートもだいたい決まっているので、
グループで出かけて、他のグループと合流するのも楽しみの一つ。
友だちと会う予定が、友達が友達を連れてきて、その友達が電話で近くにいる友達を呼ぶ…、
最終的には「誰との約束だったけ?」ということもよくあります。
お天気が悪くて、3,4日海に行けないとストレスが溜まるという人も多く、
寒い時期でもテラス席を好む彼らを見ればわかるように、
外の空気に触れることが大好き。
どちらかというと、日に焼けないよう太陽を避け、バルやレストランでもお店の中の席を好む私たちと比べると、
明らかに、外出できないことによるダメージが大きいでしょう。
もちろん、スペイン人にもいろいろな人がいます。
日本人にも、いろいろなタイプの人がいるように。
例えば、日本語の生徒さんたちは、どちらかというと家の中で過ごすのが好きな人たちが多い気がします。
ただ、一般的には、この状況、
文化・習慣の違いから、精神的にはスペイン人のみんなの方がつらいだろうな…と、
ふと思ったりします。
そして、日本の2週間後も心配です。
どうか拡散しませんように。
早くこの状況から抜け出し、
平常が戻ってきますように…。