今年はすでに終了してしまいましたが、反響が大きく、色々なところでご質問をいただいている『コルドバのパティオ祭り』の話題、もう少し続きます。
世界無形文化遺産にも登録されている、 中庭の美しさを競うパティオお祭り。
この期間中、参加している50の一般家庭の中庭(その他コンテストに参加していない市の建物の中庭も)が公開され、自由に見学できます。
普段は、門の隙間からちらっと見ることができたらラッキー!なパティオ(中庭)をゆっくり見学できるので、世界各地から多くの人が訪れます。
今年も大人気で、ほぼ毎日、ほとんどのパティオに列ができていました。
期間中のホテルの客室稼働率は週末93%と、5月の新記録だったそう。
そのパティオ。
主役はもちろんお花なのですが、単に色々な種類のお花が飾ってあるというだけでなく、お花や植物以外にも、たくさん見どころがあります。
パティオは普通、玄関(門)を入ってすぐのところにあり、それを囲み各部屋(集合住宅の場合は各家)があるという構造になっています。
元々、そこにみんなが集まる憩いの場であり、夏になると時には50度近くまで気温が上がるコルドバでは、涼を取るための工夫もされています。
そのために、
必ずパティオにあるのが噴水や井戸
今も井戸の水を使って、毎日お花に水をやっているパティオも。
もう井戸を使っていないパティオも、昔ながらのスタイルを維持しながら、きれいにデコレーションされています。
噴水に近づくと、水しぶきとその水音から、2,3度気温が低くなったような清涼感が。
実際、パティオの中は外より、5,6度涼しくなっています。
また、家の作りによっては、
昔ながらの台所や洗濯場も見ることが出来る
パティオのほぼ真ん中に、こんなに可愛い昔の洗濯場が。
台所も、今はもう使われていませんが、昔ながらの料理器具などが飾られていて、タイムトリップした気分に。
石畳の床や壁に飾られた、こだわりの装飾品からも目が離せない
見上げると天井にも可愛いランプ、お皿、ココナッツの実に入ったお花などが。
フラメンコに関する小物をデコレーションしたパティオも多いです。
こちらのパティオは、植木鉢も、机も椅子も、マントンも赤で統一されて可愛いイメージ。
そして、
パティオにとって、とても重要な自然光
この光の入ってき方もコンテストの審査の対象になるそうです。
空を見上げると、屋上に飾られた可愛いお花たちや、中にはメスキータの塔を眺められるパティオもあります。
それから、可愛くてたまらないのが、
訪問客に笑顔をもたらしてくれるペットたち
猫、小鳥、かめなど…オーナーさんに可愛がられパティオで寛ぐ動物たちも、パティオの人気の一部になっています。
そして最後に、何よりもパティオ巡りをしていて楽しいのは、
各パティオのオーナーさんたちとの触れ合い
必ずと言っていいほど、オーナーさん、またはそのご家族がパティオにいらっしゃるので、何か聞きたいことがあれば気軽に質問してみてください。
ほとんどのオーナーさんはとても親しみやすくて、親切。
英語がわかるオーナーさんもいらっしゃいますが、言葉が通じなかったら「bonito(ボニート)=きれい!」と一言声を掛けるだけで、喜んでくださると思います。
このように『パティオ祭り』は、単にお花が綺麗!というだけのパティオではなく(その綺麗さは半端ないのですが!)
生活に欠かせない光や水とパティの関係、装飾品を含めたパティオ全体のデコレーションのセンスの素晴らしさ、そこに住む人々の暮らしぶりや人となり等にも触れることができるます。
どんなミュージアムよりもっと身近に、パティオと密着したコルドバの人々の暮らしを知ることができるでしょう。