スペインの警戒事態宣言が、4月11日まで延長されていましたが、
4月25日24時まで再延長となりました。
ただ、既にピークを越えたとも言われ、油断はできないものの、
明るい日差しも見えてきました。よかったです!
「慎重に」というアンダルシア首相のメッセージ
そしてそのタイミングで、
アンダルシア州の首相が会見で、
「まず、この(コロナとの)戦いに勝ったんだという意識が社会全体に伝わってしまうことが無いよう、慎重になって欲しいとお願いします。まだ「警戒事態宣言」が2週間も続くというこの時に、何人かは既にこの外出禁止が解禁になることについて話題にしています」
というメッセージを送りました。
確かにネット上でも「ピークを越えた」という声が多く上がっていて、
慎重になるに越したことがないので、気が緩む前に、いいタイミングでのメッセージだったと思います。
余談ですが、このJuanma首相のマラガ弁がすごく心地いい。
まだ、コルドバ訛りに慣れていない私にとって、癒されます。
スペイン語学習中のひとは、聞いてみてください。
ゆっくり丁寧に話してくれているので、とてもわかりやすいです。
いつもと違うセマナ・サンタ
さて、日曜日からセマナ・サンタ(聖週間)が始まりました。
実は、私はマラガ生活で毎年のように、
セマナ・サンタになるとマラガを脱出したいと思っていました。
街中がお祭りムードになり、観光客で溢れ、
バスのスケジュールもルートも乗り場も何もかも変更になり、
どこへ行っても人、人、人。
宗教行事ではありますが、大部分の人たちはショーを見る感覚でやってくる。
もちろん私も1年目はそういう感覚で楽しめましたが、その前に住んでいたグアテマラ・アンティグアの温かさが伝わってくるセマナサンタの方が好きだったし、2年目以降は「1度見たし、もういいやっ」て感じでした。
でも結局、ほとんど毎年、なんだかんだ言って脱出できず、
毎日ではありませんが、何日かはカメラを持って出かけていました。
そして一昨年・昨年はコルドバで過ごしたので、今年こそはセマナ・サンタの(派手な行事が)ないところで、ゆっくり過ごしたいなと思っていました。
それなのに、
今、すごくセマナ・サンタのプロセシオン(行列行進)が見たい。
特に、マラガのセマナ・サンタが見たいです。
マラガの人にとってのセマナ・サンタは特別で、街も人の心も一つになります。
長年、その環境の中にいたので、それを思うと心が痛みます。
この時期、気候も良く、初夏のような陽気。
他の地方に住んでいる家族や友達も帰省し、家族も一つになります。
今年は中止(延期)になったので、
少しでもセマナサンタの雰囲気を味わえるようにと、
市などが、ネットに去年の動画をあげています。
マラガの通りでのささやかなプロセシオン
そんな中、今年のセマナサンタの、こんな動画を見つけました。
誰もいない通りで、セマナサンタのプロセシオンのナサレノの格好をして、
一人犬を散歩させる人。
En #Málaga, no renunciamos del todo a nuestra #SemanaSanta #DomingoDeRamos #SemanaSantaEnCasa pic.twitter.com/KZWsP7dX4p
— Tú&Málaga (@tuymalaga) April 5, 2020
犬の散歩は許可されているので、散歩のために一人で外出してもOKです。
通常だと、スペイン人らしいこんなユーモアあるビデオにクスっと笑ってしまうのですが、
今は、温かい空気を感じると同時に、悲しくなりますね。
マラガの病院で患者さんを励ますために行われたミニプロセシオン
そして、こちらは病院で録画されたビデオ。
マラガの病院で医療従事者の皆さんによる、ミニ・プロセシオン(行列行進)が実現しました。
もちろんマスク、手袋、プラスチック製の保護マスク、防護服を着用して、
医療機器を運ぶカートを使って、小さなキリスト像が運ばれました。
このキリスト像は、マラガの人たちにとって、特別な存在であるCautivo(カウティボ)。
数あるプロセシオンの中でも、特に市民に人気で「el señor de Málaga(マラガのセニョール)」と呼ばれています。
そのミニ・プロセシオンは患者さんが入院している各部屋を周りました。
そして、一人一人に前もって配られていた白いカーネーションを、尊敬と献身の印として、前を通過するミニ・カウティボに渡されました。
実際の、プロセシオンがそうであるように。
ビデオの最後の方にある「viva!」「guapo!」という掛け声を目を閉じて聴いていると、毎年の光景が蘇ってくるようです。
“マラガのセニョール” カウティボの2019年のプロセシオン
こちらが、去年のビデオ。
カウティボが、橋を渡っているところを上から見るのは圧巻ですが、
実は私がマラガへ来て初めてのセマナサンタで見たのが、まさにこの光景でした。
初めて住んだピソがこの通りにあって、マラガのセマナサンタのことを何も知らずに外出しようとしたら、通りが凄いことになっていて、
「セマナサンタの一番人気の行列がまさに通過しようとしている」ということを知りました。
今から思うと、なんてラッキーだったんだろう。
窓やベランダからプロセシオンが見えるピソは大人気で、セマナサンタ中だけ、すごい金額で貸し出す人もいるほど。
そんなこと全く知らなかったので、豚に真珠、猫に小判だったんですが、その時のそこに集まっていた人たちから感じた熱気、人々の輝く目、そこに流れる空気がしっかりと記憶に沁みついています。
俳優アントニオ・バンデラスがカウティボに捧げたビデオ
そんな、人々の希望であるセマナサンタの行事が中止(延期)になった今年。
マラガ出身の俳優、毎年セマナサンタに参加しているアントニオ・バンデラスが以前書いた「カウティボに捧げる詩」が、今年のプロセシオンが出るはずだった月曜日に、Twitterを通して捧げられました。
Hace tiempo escribí este poema dedicado al Cautivo. Hoy era el día de compartirlo. Para todos los que llevamos la Semana Santa muy dentro. #LaProcesiónVaPorDentro #SemanaSanta #Málaga #CofradiasMLG @cautivotrinidad pic.twitter.com/WTHmExhcms
— Antonio Banderas (@antoniobanderas) April 6, 2020
2020年のカウティボ
そして、こちらが今年のLunes Santo(聖月曜日)。
教会の中の、カウティボ。
秋になるのか、来年になるのか、まだわかりませんが、
次回のセマナサンタは、全てのスペインの人たちにとって特別なものになることは間違いありません。
一日も早く平穏が戻りますように。
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