私がラテンアメリカに移住するまで1「きっかけは、野茂投手だった!?」

スペイン移住のきっかけ

*最近よく質問をいただく、スペイン・ラテンアメリカに住むことになったきっかけ&体験談です。
以前、別の場所に投稿した記事をできるだけそのまま転載しています。留学・移住の参考になれば嬉しいです。

野茂英雄投手メジャー入り決定-。

それが、私のスペイン行きにつながるなんて。誰も予想できないことだった。
もちろん自分にも・・・。

野茂投手にとっての、世界へ羽ばたく“大きな第一歩”。
それが私にとっても、外国で暮らす“小さな第一歩”となったのだった。

スポーツリポーターとして充実していた数年間

放送界に入り、スポーツキャスター・リポーターとして日本の野球を取材するようになって数年が経っていた。
いろんなことがあったが、結果的には、周囲に惑わされることなく、自分のやりたいことに向かって、一歩一歩ゆっくり歩いてきたつもりだ。
他人がどう思おうが、自分のレール引きを手助けしてくれる人に恵まれ、引いたレールの上を大きく逸れることなく歩いている現状に、私は満足していた。

お化粧品より大切だった(笑)スコアブックたち

やって来たピンチは「野茂投手メジャー入り」!?

そこへ、最大のピンチ!がやってきたのである。

野茂投手のドジャース入りが決まった瞬間、「嬉しさ」と共に、私の心を支配したのは「困惑」だった。

近鉄時代からよく知っていた野茂投手の夢が、やっと叶ったというのに。
100%喜べないなんて、私はなんて薄情なヤツなんだろう。

あ~ぁ、
これでイヤでも大リーグを見ないといけなくなるなぁ・・・。
いつまでも避けては通れないとは思っていたけど、こんなに早く、その時が来てしまうなんて、
困ったなぁ・・・。

私は「外国の野球」というものに、申し訳ないほど興味がなかったのだ。
知っているのは、ナショナルリーグとアメリカンリーグに分かれていることぐらい。
28チーム(当時)の名前なんて、もちろん言えるはずもなかった。

だから、担当している番組で「大リーグの話題」になるたびに、
逃げ出したい思いだった。
特集なんかしようものなら・・・。

どうやって1時間乗り切ろうかなぁ。
そう思っているうちに、時間が過ぎていく。
何も発言できないのに、そこにいないといけない苦しさと、情けなさ。
家に帰ってからも、気持ちは晴れなかった。

当時、元阪神タイガース監督の安藤統男さんと、
時々一緒に仕事をさせていただいていた。

「安藤さんといえば大リーグ」と、番組でも呼ばせていただいていたほど、
大リーグに詳しく、外国人選手からも人望が厚い方だ。
番組ではもちろん、それ以外でもアメリカ野球にまつわる楽しいエピソードを、
たくさん話してくださっていた。

なのに私の反応は、
「はい」
「へぇ~」
「なるほど」
・・・・・。
相槌しか打てないのだ。
なんて話し甲斐のないアシスタントだったのだろう。



仕事向いていないかも?と葛藤の日々

私、やっぱりこの仕事に向いていないのかもしれない。
そんなことを、考えたりもした。

興味があることとないことが、極端すぎる-。

これが、自覚症状おおありの、
私の、長所!?であり短所である。

「これだ!」と思ったことは、
何が何でも納得するまでやらないと、気がすまない。
反対に、興味をもてないことに関しては、話をするのも苦痛。

不器用なのも手伝って(災いして?)
広く浅くものごとを知ることは、不可能だった。

「TVやラジオに出るひと」ではなく、
「野球を伝えるひと」になるのが目的の私は、
周囲の反対に聴く耳を持たず、他のレギュラー番組を断り、
ほとんど毎日、野球場に通っていた。

それでも、一、二軍を掛け持ちするのは無理なときがあり、
アメリカの野球に興味を持つ余裕もなかったのかもしれない。



そして、覚悟を決める

私の狭い部屋には、
資料用に買って、一度も目を通していない雑誌と、
ただ切り抜いて貼っただけの、スポーツ紙のスクラップが、
山積みにされていた。

Bu担当時代、野茂投手からいただいた本

だけど、
野茂くんのせいで!?、来年から「知らない」では済まされなくなる。

世間の注目度は、間違いなく高くなるだろうし、
スポーツキャスター・リポーターという肩書きで仕事をしている以上、
「興味がないので知りません」
と、逃げるわけにはいかない。

「自分の眼でみて、耳で聴き、肌で感じたことを正確に伝える」という、
自分のポリシーにも反してしまう。

それなら・・・。
私は潔く!? 覚悟を決めたのである。

(続く)

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