スペインの人たちは、スペインのコーヒーに誇りを持っていて
“うちの近くのバルで飲むコーヒーが一番美味しい!”というコメントをよく聞きます。
スタバなどのチェーン店や新しくできたお店などでは、独自のメニューや淹れ方がありますが、古くからある地元のバルでは、エスプレッソマシンで淹れた濃いめのコーヒーが出てきます。
店員泣かせ? スペイン人のこだわりあるコーヒーの注文の仕方
そして、そのコーヒーの頼み方も、
- 「ミルクは常温で、コーヒーはカフェイン抜きで」
- 「私もカフェイン抜き。でもマシンじゃなくてインスタントコーヒーで。ミルクは熱くしてね」
- 「私は普通のコーヒーに熱いミルクを入れて。でもお砂糖の代わりにサッカリンにして」
………等々と、本当に注文が多いんです。
常連さんになると、コーヒーカップかグラスかを指定する人も。
しかも、家族やグループなどで来る人がほとんどで、大人数が一斉に注文します。
ウエイター、ウエイトレスさんはたいへん!
でも、注文をメモしている人を殆ど見たことがありません。
一体どうやって覚えるの…?
尊敬の一言。私には絶対に勤まりません *_*
マラガのコーヒーのバリエーション
そして、そして…
マラガではそれに加えて、コーヒーとミルクの割合によって、
こんなにも沢山のバリエーションがあるのです。
- Cafés de Málaga(マラガのコーヒー)の
上の段の、
solo(ソロ),largo(ラルゴ),solo corto(ソロ・コルト),mitad(ミタ―) がコーヒーの割合がミルクより多い~半分までの場合。
そして下の段の、
corto(コルト),sombra(ソンブラ),nube (ヌべ)がミルクのほうが多い場合。
マラガのコーヒーの名前、それぞの意味
それぞれの名前の意味とコーヒーの割合は、
solo…~のみ…コーヒーのみ…black 100%
largo…長い…コーヒーの量多め…extra strong 90%
solo corto…corto (ショート)のみ…エスプレッソ…expresso コーヒーのみ 60%
mitad…半分…コーヒーとミルク半分ずつ…half and half 50%
corto…短い…コーヒーの量少なめ…short 30%
sombra…影…影のようにうっすらとコーヒーの色が…shadow(コーヒーの量かなり少なめ)20%
nube…雲…雲のように白い(ほとんどミルク)…cloud 10%
ちなみにこちらは、マラガのIKEAのキッチン(カフェ)のデコレーションのディスプレイです。
cortoがcortadoになってるけどご愛嬌。
*cortadoはマラガ独特のコーヒーのバリエーションではありませんが、スペインの一般的なコーヒーの淹れ方の種類の一つです
スウェーデンの会社のこのアイデアは、自分たちのコーヒーに誇りを持っているマラガの人たちにとって、ポイントアップ間違いなし。
マラガ店だけのために作ったのかな? それだったらすごいね *_*
マラガの10種類のコーヒーのバリエーションの生みの親『Café Central Málaga』
ちなみにsolo corto、私のマラガ生活10年間で一度も注文しているのを聞いたことがありません。
時間とともに、あまり注文されないコーヒーの呼び方はだんだん聞かれなくなり、使われなくなっていっているのかもしれませんね。
実は以前はもっとバリエーションが多く、10種類ありました。
そして、その10種類のバリエーションの生みの親は、マラガの街の中心にある老舗カフェ『Café Central Málaga』。*閉店になりました
最後の『No me lo ponga』というのは「(何も)入れないで!」という意味。
「何も入れないで!」も含めて “10種類”のコーヒーの淹れ方になるんですね、笑。
住所:Plaza de la Constitución 11 Málaga 電話: 952 22 49 72
実はとても実用的なマラガのコーヒーの呼び方
この10種類のコーヒーのアイデアが 『Café Central Málaga』 で、生まれたのは1954年。
発端は、それまでの呼び方だと、
「カフェ・コン・レチェだけど、少しミルクを多めにして!」
「私はミルクを普通より、かなり多めに!」
というように、注文する人が多く、
常に、
「どんなカフェ・コン・レチェ?」
と訊かなくてはいけなかったので、
一層のこと、コーヒーの割合をもっと細かくして、それぞれに名前を付けたほうが注文するほうも、受けるほうもラクだろう!
と思ったからだそう。
確かにそうですねー。
10種類もあって大変だ!じゃなくて、そのおかげで、名前を一言いうだけでスムーズに注文できるようになったんですね。
マラガで地元民のようにカフェ・コン・レチェを頼んでみよう!
そんなマラガのコーヒーですが、
一番みんながよく頼むのは、やはりcafé con leche (カフェ・コン・レチェ…日本のようにコーヒー+コーヒー用ミルクではなく、カフェオレ)。
でも「カフェ・コン・レチェ」と頼んでいる地元の人は、ほとんどいません。
マラガでは mitad 。
発音は、最後のdはほとんど発音せず「ミター」という感じ。
でもでも、
スペイン語勉強してるから、カフェで「カフェ・コン・レチェ、ポルファボール!」と頼むのが楽しみだったのになぁ…(*_*) という方。←昔の私、笑
もちろん「カフェ・コン・レチェ」でも通じるのでご心配なく!
ただ「マラガの人ではないな~」という感じ。
見た目、日本人だし、100%マラガの人じゃないことわかってるし、別にマラガの人じゃなくていいんですけどね…笑
でも、せっかくなので、マラガのカフェに行かれた時は
「un mitad, por favor!(ウン・ミター・ポルファヴォール」
と頼んでみてください。
逆に店員さんに驚かれたり、喜んでもらえたりするかも。
店員さんとの距離が縮まること間違いなしです。
カフェイン抜き、ミルクの温度、インスタント、グラス入り等の注文の仕方
そして最初に書いたように、
・ミルクは温かい(leche caliente)か、冷たい(leche fria)か、常温(leche templado)か
・コーヒーはカフェイン入り(café café)か、カフェイン抜き(café descafeinado)か
・カフェイン抜きの場合、コーヒーマシン(café descafeinado de maquína)で入れるのか、
インスタント(café descafeinado de sobre)か
・お砂糖(azúcar)か人工甘味料(sacarina)か
などの希望を伝えることができます。
『café café』というのはカフェイン入りのコーヒーのこと。
単語を2回繰り返すと“本物の・100%の”という意味になるので「(カフェインが入った)本物のコーヒー」はcafé café。
フォーマルじゃない話し言葉ですが、普段の会話によく使います!
でも、スペイン語がわからなかったり、いちいち注文するのが面倒くさい場合、何も希望を言わなければ、スタンダード(カフェイン入り、コーヒーマシンでいれたもの)のコーヒーが出てくるのでご安心を。
熱~いホットコーヒーが飲みたいときの注文の仕方
また、こちらは猫舌の人が多く、暑いときに熱いものを飲むという習慣もなく、“すごく熱いから気を付けて!” と言いながら、生ぬる~いコーヒーが出てくることがよくあります。
少し飲んでみて、温めなおしてもらって…となると結構時間もかかり面倒なので、熱~いコーヒーを飲みたい場合は
「muy caliente, por favor(ムイカリエンテ、ポルファボール)”と言って頼むのを、おすすめします。
「マラガのコーヒー」のデザイングッズを是非お土産に!
そんな語ることが多いマラガのコーヒーをデザインしたグッズもちらほら見かけます。
こちらは街のお土産屋さんで売っているエコバッグ。
『Café Central Málaga』にも、イラストのカードやコーヒーカップなどもあります。
マラガのカフェで飲んだコーヒーの思い出に、
そしてコーヒー好きな人へのお土産にもおすすめです♪
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